命を守る!ライフジャケットの選び方
この記事はライフジャケットの特集記事です。
● 命を守る!ライフジャケット選びの重要性
(財)日本海洋レジャー安全振興協会による平成15年度の海難事故調査によると、平成15年における釣り中の事故者225人のうち、ライフジャケットを着用していた者は56人(着用率25%)で、このうち死亡・行方不明者は13人、死亡率は23%であった。一方、ライフジャケットを着用していなかった者は169人であり、このうち死亡・行方不明者は81人、死亡率は48%で、ライフジャケット着用の効果が顕著に表れています。
また、海上保安庁の調査によりますと、平成13年における海難及び海中転落による死亡、行方不明者数は320人。船種別に見てみますと、一般船舶及び漁船が266人、プレジャーボート等が54人でした。
さらに平成9年~13年の海中転落者等のライフジャケット着用・未着用による生存率は、着用した場合83%、未着用の場合33%の調べとなっています。
これを受けて国土交通省海事局は船舶職員及び小型船舶操縦者法を見直し、法改正を平成15年6月1日より施行しました。着用が義務付けられている場合は、
① 水上オートバイに乗船している場合
② 子児が小型船舶に乗船している場合
③ 小型漁船に1人で乗船して漁ろうに従事している場合
● ライフジャケットの種類
ライフジャケットには大きく分けて2つの種類があります。
◆ 固形式
浮力体として、発泡体(発泡ポリエチレン等)の固形物を使用しているもので、ガスを使用する膨張式と比べ構造がシンプルなのが特徴です。昔からあるタイプで、安価で最も普及しています。
形状は前部をジッパーで止めるチョッキタイプが多いですが、馬蹄型の肩掛けタイプもあります。
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◆ 膨張式
浮力体として、炭酸ガスなどの気体を入れる気密された袋(浮き袋)を持つ構造で、展張していない状態では折りたたまれているために非常に軽量コンパクトです。水に濡れたことを感知して膨張する自動式と、手動策を引くことで膨張する手動式があります。作動すると内蔵されたガスボンベから気密された浮き袋へガスが充填され膨張する仕組みです。自動式と手動式の外観上の違いはほとんどありません。
また、空気注入バルブが付いていて、ガスが抜けたり、膨らみが足りないときは、息を吹き込んで補充できます。
形状は馬蹄型の肩掛けタイプと腰に巻くベルトタイプがポピュラーです。
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ライフジャケットのサイズはフリーサイズのものが多く、付属のベルト等で調整します。
◆ 子供用
子供用のライフジャケットは体重別に数種類に分類され、お子様の体格に合うものを選んでいただけます。
出来れば、きちんと股紐と襟首の取っ手があるものを選んでください。お子様を引っ張りあげるときに取っ手が無いと引っ張り上げにくいですし、股紐が無いと引っ張り上げるときに脱げてしまいます。
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● 検査品を使いましょう!
釣具店などで国土交通省型式承認を受けていない(いわゆる無検品)ライフジャケットを見かけることがありますが、無検品のライフジャケットの中には十分な浮力を有しないものや、浮かんだときのバランスが悪いものがあります。
また、必要な装備(肩口の再帰反射材や笛、子供用の場合襟首部分の取っ手や股紐)が備わっていないものもあったりします。
救助が必要なとき、自分がどこにいるか知らせるための装備(再起反射材や笛)が付いていないと、助かるものも助からなくなります!
国土交通省型式承認品かどうかを見分ける方法は、ライフジャケット本体に承認品を示すマークがあるかどうかで見分けます。
写真の桜のマークがそれです。
● ライフジャケットのメンテナンス
固形式のライフジャケットは、基本的にメンテナンスフリーです。
肩口の再帰反射材の剥がれが無いか、ジッパーがちゃんと動くかどうか、笛がちゃんと付いているかを確認して、不具合があるようでしたら必要に応じて修理してください。汚れがある場合は中性洗剤で洗うことが出来ます。
膨張式ライフジャケットは、少々注意が必要です。
汚れや塩などの付着がひどい場合は真水で洗うことが出来ますが、必ずカートリッジを外してからにしましょう。
また、1年に1度は販売店を通してメーカーで点検(有償)を受けてください。ガスボンベの有効期限はありませんが、他の検査のあるガスボンベの有効期限が5年であることを考えると、やはり5年を目安に新品に交換することが望ましいと思います。
ガスボンベの外観が錆だらけになっている場合は、危険ですから交換をお勧めします。